こんなん見たよ

〜 リボルバー -青い春- 【レンタル専用】 〜


監督  渡辺武
出演  玉木宏、森山未来、佐藤隆太
制作  2003年


古麻呂歩

 松田龍平主演の「青い春」は、以前取り上げた。 これも同じネタということになる。 松本大洋原作の漫画を映像化したということだ。

 舞台はやはり高校。 毎日が開校記念日、というオサム。 生物部を一人で支える不思議な男、コージ。 サッカー部で上手くやれない金髪のタツトシ。 この3人が主人公だ。 「青い春」が学校を中心に展開していたのに対し、このお話では 授業のシーンなどは一切でない。 現状に閉塞感を感じ、何か楽しいことはないものかとあがく高校生が主人公……これだけが共通点のようだ。 元々が同じ漫画であるにもかかわらず、トーンは全く違っていた。 ちょうど、日本画と洋画の様な差異を感じた。

 ある日、のほほんと高校生活を送っている3人のもとに、怪しい小学生が現れる。 小学生は、卒業証書でも出てきそうな筒を3人に手渡す。 これを開けると、中から毛筆で書かれた地図が出てくる。 「なんだこりゃ?」という反応を示しつつも、暇だけには事欠かない3人。 この地図に示されたポイントまで行ってみることにした。

 地図に示された場所を掘り起こすと、手文庫が出てきた。 なんとか鍵をこじ開けると、現れましたるは……拳銃だった。

 さて、日常の中で拳銃に出会ったらどうするだろう。 僕は結構良い子なので、きっと交番に持っていくだろう。 もしくは同じ場所に埋め直す。 答えとしては面白くも何ともない。 彼らはどうしたか。 取りあえず持ち帰ることにする。 警察なんて陳腐な言葉は、かけらも脳裏をかすめない。 何か楽しいことが起こるかも知れない「魔法の鍵」に、ワクワクするだけだった。

 拾った拳銃には弾が3発入っていた。 モデルガンだと思って1発を浪費してしまった彼ら。 2発目はガンマニアの同級生に3万円で売ってしまった。 残り1発となり、彼らは「弾があってこその拳銃」ということに気付く。 そして弾を買いに新宿へ行くのである。

 新宿といえば、歌舞伎町の怖いイメージがあるようで、彼らは特に何の当てもなく新宿を目指す。 当てがないから、銃器店に出向き警察に通報されたりする。 たまたま僕は窪塚洋介主演の「凶気の桜」を見たばかりだったので、 むしろ渋谷の方が実弾が買えそうだよなぁ、と思った。 新宿で彼らは様々な人と出会う。 ぼったくりバーの怖いお兄さん、レズのAV女優、援助交際中の中学生、しょぼくれたサラリーマン。 拳銃は魔法の鍵ではなかったけれど、ココで出会った人々は何らかの財産にはなったように思う。 見えてはいるけれど見なかったモノ、靄の彼方にかすんでいたモノが少しだけれど浮かんだようだ。

 結局、拳銃では劇的な「何か」が起こらないと悟った彼らは、最後にロシアンルーレットを楽しんで、拳銃に別れを告げる。

 閉塞感と未来への不安、何かが起こるかもしれないという捨てきれない幻想……青春というヤツなのだろう。 「青い春」にも感じたモノだけれど、色合いが違う。 「青い春」よりも現実的で、お馬鹿な若者たち。 見終わった後、なんともほのぼのとしてみたりするのだった。


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