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こんなん見たよ

〜 アタック・ナンバーハーフ (原題:Satree-Lax) 【映画】 〜


監督  ヨンユット・トンコントーン
出演  チャイチャーン・ニムプーンサワット、サハーパープ・ウィーラカーミン
制作  2000年  タイ 


古麻呂歩

 これはオカマが主役の映画だ。

 最初に断っておかなければいけない。 僕は今まで、ずっと邦画ばかりを紹介してきた。 そもそも見る映画のほとんどが邦画なのである。 それは何故かと尋ねたら……外人の顔と名前が覚えられないからである。 かの有名な『スターウォーズ』でもわかるのはダースベーダーとジャバザハット、ヨーダだけである。 姫の名前は……レイア? レイラ? ロボットはどっちがC3PO? R2D2? (←あっているのだろうか?) むしろプラズマXの方がよくわかるのである。

 だから邦画しか見ない。 見られないのである。 しかし、時たまキャラクターの区別が付いたり、そんなことはさておき面白い映画に出会ったりする。 これはその種の映画(後者)である。

 お話はタイのバレーボール大会を主軸に進む。 オカマとゲイの差は僕には難しいので、ここでは全て「オカマ」で統一させていただきます。 ご了承ください。 あるところに割と強そうなバレーボールチームがある。 そこでオカマの子がいじめに遭っている。 実力はあるのだろうが、オカマ故に正当に評価されずにいる。 やりきれないけれど、それは仕方のないことだ。 タイは僕が知るところに因れば、日本よりもオカマに寛大な国だ。 また、同性愛もポピュラーな様である。 しかし、生活者には厳しい局面もあるのだ。

 実力を評価されない男の子は、新任の監督が集めるチームに参加することになる。 実力を評価し、オカマも入れてくれた監督だったが、オカマへの嫌悪がある真っ当な男子はみな辞めてしまう。 残ったのはたった1人。バレーボールは6人でするものだ。チームは他のメンバーを捜す事になる。 オカマさん達がなんとか昔の仲間を集めるのだが、みんなオカマ。 しかも監督がオナベであることが発覚し、周囲の注目は嫌でも集まることになる。 チームの中にも色々問題があり、家族や婚約者には性癖を隠している人もいる。 かと思えば、両親も公認で、全面的にバックアップしてくれる家もある。 様々な事情をふまえながら、この不可思議なチームが大会を闘っていく。

 このお話はなんでも実話らしい。 映画の中のバレーシーンはあまり迫力がないのだが……。 ビデオで見ると、最後に本物の試合が収録されていた。 そこで見れば、さすがにそこそこの迫力がある。 オカマは、心は女だけれど体は男なのである。 そのギャップも面白いのだ。

 「泣く子と戸籍には勝てない」これは僕の座右の銘(?)だ。 日本では性転換手術を受けても、染色体で性別が決められるので、性別の変更は利かない。 まあ、今戸籍法の改正を検討しているようだけど。 今まで日本の法律で、性転換に伴って性別を変えることが出来た(家裁の許可が出た)人は1人だけらしい。 僕は、男でも女でも別に良いと思うんだよね。 山田一郎という人がいて、この人が僕にとって良いヤツで飲み友達で、なんでも話せて……みたいな 親友であったとする。 こいつがある日、男から女になっても(戸籍上)、僕の山田を見る目は変わらないと思う。 でも、自分の婚約者が急に性別を変えてしまったら……これはかなり微妙な問題。 難しいこともあり、簡単なこともある。 国に登録しなければいけない事項というのは、厄介な問題である。

 このお話はなんとも痛快なストーリーで、難しいことは考えなくても良い。 だが、考えようと思えば、性別、ジェンダー、差別などなど難しいことは山のようにある。 僕は性別の狭間にいる人は好きで、興味津々なのだが、 そういった人に嫌悪を催す人は見ない方が良い。 別にその手のエピソードでじめじめとしている訳ではないのだが、 どうしても酒が入っているふうな過剰なリアクションなどを見る羽目になる。 そういったノリが嫌いならやめた方が良い。 気にならないのなら、ともかくスカッとする映画なのでお勧めだ。

追記:その後の法改正で、戸籍上の性別が変更できるようになりました。


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