こんなん見たよ

〜 13階段 【映画】 〜


監督  長澤雅彦
出演  反町隆史、山崎努、笑福亭鶴瓶、大杉漣
制作  2003年


古麻呂歩

 反町隆史といえば、僕の中ではやっぱり「GTO」だ。 あのイメージ。もしくは「DOUBLE SCORE」。 あまりシリアスな役を想像しないのである。

 反町隆史演じる三上は、傷害致死で3年の実刑判決を受けた。 出所後、実家の工場で働くのだが、工場は被害者への慰謝料で傾いていた。 重たい空気が流れる家に、三上が世話になった刑務官、南郷(山崎努)が訪ねてくる。

 南郷は三上に仕事に誘う。 一緒に、死刑囚の無実をはらそう、と。 何でも、弁護士の杉崎(笑福亭鶴瓶)の元に、死刑囚、樹原(宮藤官九郎)の無実をはらして欲しい という依頼が舞い込んだ。杉崎はあくまで窓口としての役割を果たすので、 実際の活動は南郷が行うという。 南郷はそのパートナーに三上を選んだのである。 当初は困惑した三上だが、報酬額に惹かれて参加することとなる。

 三上と南郷が追う事件というのは、10年前に起こった殺人事件である。 夏祭りの夜、保護司をしている夫婦が何者かに惨殺された。 犯人として捕らえられたのは、近くの道路で事故って倒れていた男、樹原。 樹原には窃盗の前科があり、保護司の元へ面談のために訪れていた。 事件についての取り調べに対し、樹原は記憶喪失の為に満足な供述が出来ない。 そしてそのまま死刑判決を受けたのである。 最近の裁判では、死刑という判決は滅多に出ないように思う。 国のサイドも死刑に及び腰なのではないだろうか。 記憶喪失で事件の実体が明らかにならないような裁判で、死刑が決まるというのはやや強引な気がした。

 樹原は事件当時の記憶を全て失っていたのだが、最近になってやっと思い出したことがある。 それは、「階段」。 樹原の記憶の断片を頼りに、南郷と三上は行動を開始する。 しかし「階段」はなかなか見つからない。 三上は、樹原が抱く「13階段=死刑」のビジョンではないかと考える。 死刑の恐怖が樹原の中で映像となったのではないか、と。 だが、唯一の手がかりを捨て去るわけにはいかず、2人は捜査を続けるのだった。

 さて物語は、樹原の無実をはらす事を主軸に進んでいくのだが、色々と横糸が絡まってくる。 何故、南郷は三上をパートナーに選んだのか。 そもそも南郷が刑務官の仕事がありながら、探偵の真似事をするのは何故か。 樹原の無実をはらそうとしているのは誰なのか。 真犯人は誰なのか。 そして、三上の事件は何故起こったのか。 ここにいちいち答えを書いても始まらないので書かないが、「償い」と「精算」という事だと思った。 2度と元には戻らないけれど、あまりに重いモノを背負った人は、それを軽くしたいと思うものらしい。 それが「償い」であり、「精算」ではないかと僕は思った。

 冒頭から書いたのだが、反町隆史はちょっと軟派な役のイメージが強い。 大河ドラマでの信長は、なんというか学芸会チックだった。 結局、漫画の世界の住人かと思いきや、この作品では見事にイメージチェンジ出来ていたと僕は思う。 反町隆史の新しい顔を見た。


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